疲労を溜め込んでいませんか?

黄帝内経素問

生気通天論篇 第三(其の5)

皆さんこんにちは。今回も、陽気についてのお話。そしていかに養生、心身に負担をかけない生活が大切か、というお話になります。最近「Project Zomboid」というゲームにハマって夜更かししまくっている私が意訳させていただきます。

陽気は、心身を疲弊させ過ぎる生活をしていると、その性質に抑制が効かなくなり、陰精を消耗させてしまいます。疲労困憊の生活を繰り返していると、陽気は益々高ぶり、陰精はどんどん消耗されてしまいます。そして夏の暑熱の季節になると「煎厥」という症状を引き起こしやすくなります。煎厥とは、陽気が高ぶるために陰精が消耗されてしまい、抑制が効かない状態の気が胸や頭に上って昏倒してしまうことです。

煎厥の発症時は、目が朦朧として物が見えなくなり、耳が閉塞して聞こえなくなります。その様子は崩壊する都の如く、水が激しく流れる如くで、収拾がつきません。陽気は激怒することで頭や胸に上り、臓腑経絡に通じなくなります。血は陽気に従って頭や胸へ上り、そこで鬱滞します。そのため卒倒してしまうのです。これを「薄厥」(病症名)と呼びます。

もしも陽気が筋肉を損傷すると、その筋肉は弛緩して麻痺してしまいます。身体の片方だけから汗が出るようになると、片側麻痺が起こる可能性があります。また、汗が出ている状態で湿邪に侵されると、小癤(汗腺にできる細菌感染症。押すと痛む。おでき)やあせもができます。脂肪分の高い肉や精米などを過食していると、できものができやすくなります。それは空いている器に物を盛るのと同じように、簡単に発生します。
働いて汗が出ている状態で風邪に侵されると、邪が皮膚や毛穴に留まって、しばしばにきびを発生させます。もしも長く鬱滞すると小癤やあせもになります。


陽気は正しく動いている間は身体を温めたり動かしたり守ったりしてくれますが、不摂生によりそのバランスを崩すと、その熱性(陽の性質)によって陰精を涸らし、人体の上部に溜まって病を引き起こします。それをさせないために養生が必要ということですね。暴飲暴食、睡眠不足、運動や労働や遊びの過多、気をつけたいところです。またそれらが極端に不足することも良くありません。他人と比較するのではなく、自分にあったバランスを見つけて維持することが大切です。

今回はこの辺で。読んでくださった皆様、ありがとうございました。一緒に健康になりましょう。