寒邪が侵すと背中が曲がる?

黄帝内経素問

皆さんこんにちは。暖かかったり、寒かったり。変な気候です。今日はちょっと寒いけれど、身が引き締まるような空気、嫌いじゃないなぁ。

暖冬という予測は正解でしたね。今年は(主に猫のために)コタツを買ったこともあり、10月に購入していた石油ファンヒーター用の灯油が使いきれるか心配な私です。ちなみに肝心の猫はコタツに入りません…スイッチを入れていないときしか入りません。こちらの意図に全然沿わない、そこが猫なんですかね。

さて今回も陽気のお話です。

生気通天論篇 第三(其の6)

陽気は、完全な状態なら神を養うことができ、しなやかに流れるなら筋肉を養うことができます。

皮膚にある毛穴が気候に合わせてうまく開閉できなければ、寒邪が皮膚から侵入し、それにより筋を養えなくなって、背中が曲がってしまいます。

寒邪が血脈まで侵入すると、血脈の流れが阻害され、できものができてしまいます。

また、寒邪を排除できずに皮膚と肌肉に留まるようなことがあると、経穴の気が弱まり、寒邪は経穴から臓腑へと、奥深く侵入します。すると神志が破られてしまってよく恐れるようになり、非常に驚きやすくなるという症状がでます。

栄気が本来の流れに従わず、肌肉に逆流すると、できもの(急性化膿性疾患)ができてしまいます。

汗を完全に出し切るまえに肉体が疲弊してしまい、そこに風寒の邪が侵入すると、経穴が閉塞してしまって風邪症状が出るようになります。

皮膚や毛穴を支配しているのは、肺金です。肺金が体表、そして気管支や鼻粘膜などを守っている。でも守り切れずに血脈まで攻め込まれてしまうと、できものができる。できものというのは血の滞りだと書いてありますね。

汗を出し切る前、つまり汗をかいている途中で風寒の邪に襲われると風邪をひく。なぜ汗をかいているのでしょう?運動や肉体労働の途中なのでしょうか?激しい運動や労働の後は身体も疲れていますよね。そしてそんなとき、汗の始末をちゃんとしないと、風邪をひきやすいです。出し切る、というのがちょっとわかりづらいですが…。熱がすでに出ているとき、汗を出し切ると熱が下がり始めますね。そういう状況なのでしょうか。
何か月か前になりますが、熱発したことがありました。早く治さないといけないと焦り、薬局から薬を買ってきて飲みました。3日ほど真面目に飲みましたが、それでも熱は下がりませんでした。そのときはしんどいので、なんとかしよう、早く治りたいと必死です。でもあとから考えてみれば、しっかり服を着て(着てたけど)、暖かい布団でとにかく眠る、水を摂って食べたいのなら食べる。とにかく休む。これをすることが早く治る一番の近道だったことに気づきます。出るものは無理に止めずに出す。出し切ればあとは落ち着くだけです。

これは風邪をひいてしまったときの対処なので、一番良いのは風邪をひかないことです。そのために必要なのは…バランスの取れた規則正しい生活。頑張り過ぎず、だらけ過ぎない生活。季節に則った生活。つまり「養生」ですね。

今回はこの辺で。読んでいただきありがとうございました。元気に過ごしましょう。