生気通天論篇 第三
すごく長くて、難しいので其の一です。
現代語訳を読んでも、うまく意訳できない箇所が多くあります。自分なりに少しずつ。少しでも自分と誰かの役に立つことを願って。
「昔から、人の生命活動(と社会活動)と自然環境には、極めて似通っているところ、相通じているところがあり、また生命の根本は、陰陽の法則に基づいていると考えられています。
天と地の間にあるすべてのものは、すべて自然環境と通じています。
天の陰陽の法則は、変化して地の五行(木火土金水)を産み、地の五行もまた天の三陰三陽に応じています。
もし人がこのような天、地、人が互いに結びついているという法則に常に反していると、邪気が人体を損なうことになります。
このことは長寿の根本です。」
陰陽の法則というのは、この世界のすべてのものは性質によって陰と陽に分けられ、互いにバランスをとっているという法則です。またひとつの事象は、見方によって陰と陽に分けられます。道を例にすると、これから進む方向は陽、進んできた方向は陰です。陰陽がひとつの事象に同時に存在しています。これが東洋医学の考え方の根幹、陰陽論です。これが発展して五行論がうまれます。五行論とは物事を5つの性質にわけ、それらが互いに助け合い、また抑制し合ってバランスをとっているという考え方です。「生命の根本は陰陽の法則に基づいている」というのは、わかりにくいですね。陰に分類される性質は「静的、縮小、下向き、収束」、陽に分類される性質は「動的、拡大、上向き、発散」などです。うーん、陰的な要素(物質)と陽的な要素が互いにバランスをとっているということでしょうか。生命の営み、我々が生きるということも、陰陽の法則から外れないということでしょうか。
また自然に反した生き方を続けていると、自然界の邪気(暑さ、寒さなど気候変化)に負けてしまい、病気にかかってしまうよ、と書かれています。
これまで説かれていた内容と同じく、自然に即した生活を心がけましょう、ということですね。
まだまだ続きます。