先日、プランター菜園の落花生を収穫しました。
青々としていた葉が下から茶色に変わり、残った葉も急に萎れてしまいました。水をやっても戻りません。これは収穫のサインだ、そう判断し、えいっと気合を込めて引っ張ったところ…全く手ごたえなく、スポっと抜けてしまいました。そしてぷらんとぶら下がる、十にも満たない落花生…失笑。約三ヵ月半もの間、せっせと水をやり肥料を撒いた成果がこれかと思うと、悲しみより可笑しみが湧いてきます。しかもすべてが、形にはなっているものの、中身が入っていなかったり虫に食われていたり。そして抜いたあとにはアリの群れ。いつの間にかアリの巣になっていたようです。
家族に写真を送ると、珍しく父から電話がかかってきました。なんだか嬉しそうに、「収穫の時期がきたんやない、枯れとるんよ。水をやってなかったんやろうが」と失礼なことを言います。土の乾き具合を見ながら、朝に時には夕に、水と心を配ってきた私です。そう抗議すると「じゃぁ水のやりすぎよ」…真逆の行為で全く同じ結果になることある?相変わらずのいい加減だ、そう思いながら父の栽培法を訊くと「水もやりよらん。畑に植えとるだけよ。そんなに水はいらんのやけん」つまり、全部自然任せにしているということ。「じゃぁただただ植えただけやん」と突っ込むと、「ばぁか。草刈しよるんやけん」と得意げです。「まぁうちの落花生はちゃんとできるけん。楽しみに待ちよりさいや。ぬはははは!」腹の立つ笑い声で電話は切れました。
父は水の過不足、と断言しましたが、私は土が硬すぎたこと、プランターの面積が狭すぎたことが原因だったのではないかと考えています。根がほとんど伸びていなかったし、土に刺さって実を成す子房柄が、ほとんど外に出てしまっていたためです。
今回の失敗を踏まえて、また来年挑戦するかはわかりません。でももし父の落花生がうまく実らなかったら、今度は私が思い切りマウントをとってやろうと、忙しなく働くアリたちを見ながら考えています。
