日の丸展望台を目指す(1)

ぼちぼち日記

日頃の運動不足を一日で解消するべく、池田市の日の丸展望台へちょっと長めの散歩に行ってきました。往復3時間半ほどの予定だったのですが、結果4時間半ほど歩くハメになりました。

雨(猫)に留守番を頼み、おにぎりと水を持って出発です。まず適当に北上し、国道9号線に出ます。そこからは西に向かってひたすらてくてく歩きます。見えるものはだいたい民家ですね。いくつか無人直売所を見かけました。大根やカブが並んでいました。白菜があったら欲しかったなぁ。夕方からは雨の予報でしたが、まぁ多少降られても大丈夫。誰に会うわけでなし。急ぐことなくぷらぷら歩きます。

1時間ほどで五月山公園に到着。動物園があるんですね。五月山動物園にはウォンバッドやカンガルー、ワラビーなどがいるそうです。池田市は「ウォンバッドと暮らすまち」なんだそうですよ。家で猫が待っているので(嘘。特に待ってはいない)他の動物に浮気するのはやめておきます。

いろんなルート
総合案内所


総合案内所でハイキングマップをいただくことができました。見てみると、ここから日の丸展望台まで続くルートは2つあるようです。大文字コースと望海亭コース。歩く目的で来ているのに、ゴールまでちょっとでも近い方がいいな…という怠惰な気持ちから、望海亭コースを選びます。道しるべに従って、少しだけ急な階段を息を切らせて登ります。歩くこと約15分。え?もう着いたの?と半信半疑で辺りをうろうろしてしまうほど、あっさりと望海亭跡に到着です。よく見ていなかったのですが、このコースは400メートルほど。そりゃいくら運動不足の私でもあっという間に着くわな。望海亭は池田城主・池充正が禅談の場所として建築したそうです。四方の景色を見渡せる、風光明媚な場所であったろう望海亭ですが、今では1841年に建てられた記念碑が残るのみ。風化してもはや読めない文字たちが、経てきた時間を窺わせます。

道路を渡って
ちゃんと書いてある
歩きやすい
隙間から池田
もはや読めない


さらに進むと、五月台に到着です。歩くこと約5分。うん、近い。ここから池田の(多分)街並みが見渡せます。夜景が素晴らしいかもしれませんね。

街並みを見渡す
ウォンバッドかも


さて次の目的地は愛宕神社です。ちょっと退屈だけど、舗装道路を歩くしかないなぁ、と思って進行方向を見てみると。…ありますね。愛宕神社。退屈する暇ないですね。愛宕神社は火の神様として古くから池田の皆様に親しまれているそうです。6月には「がんがら祭」というお祭りもあるそうです。火事に遭いませんように、と手を合わせます。

見えとる
のぼりが賑やかですね
火の神様


愛宕神社を出ると、次は自然とのふれあいコースに進みます。林道ではありますが、舗装道路のすぐ横。たまに過ぎ去る車のエンジン音を聞きながら歩きます。ほぼ平坦な道です。歩きやすいなぁ。途中、完全に舗装道路と合流します。あれ、道を間違えたかな、分岐点なんかあったかな、と不安になりますが、そのまま歩いていれば道しるべがあり、再び林道に入ります。そこからはちょっと山の雰囲気を味わえます。気温が高めなせいか、様々な鳥の囀りが沢山聞こえて賑やかです。細い道はずっと美しく整備されていて、安全かつ歩きやすい。

ふれあうぞ~
マップではちょっと迷う
道しるべ、安心感


さてハイキングマップによると、次の目的地は「吊り橋」です。どんな吊り橋なんだろう?木とロープでできてるやつかな?ぎぃぎぃ言うかな?下はどうなっているんだろう?小川でも流れているんだろうか?高さはどれくらいかな?高所恐怖症ではありますが、非日常的な体験を想像して、わくわくしながら歩きます。

ぬっ?
ありゃ
橋の左右に先に続く道あり


20分程歩くと見えてくるのが、写真の吊り橋です。…頑丈やな!鉄骨やないか。そして何より、橋を渡さなければならない理由がない…渡らなければならない理由もない。下は普通に地面、来た道行く道と地続きです。橋の横を通れば先に進めます。そしてアスレチックだとしても弱すぎるような…これしかないし。ぽつんとこれだけだし。甚だ残念に思いながら写真に収めます。でも幼いころの私なら、これを見てテンション上がったのかなぁ。わくわくどきどきしながら渡ったのかなぁ。一見意味のない、無駄とも思えるものに対する無関心…良くないですね。遊び心を大切にしなきゃいけません。もしかすると過去には、何か大きな役割を持った吊り橋だったのかもしれませんが、散々好き勝手言ってしまったのであえて調べないでおきます。遊び心を大切に思いながらも、足場が不安定な場所も苦手なので、渡らずに進みます。

結構急やない?
ノスタルジィ


橋の脇から続く小道を進むと、休憩所への道しるべがありました。あまり疲れていないのと、小高い丘の先にある休憩所までの道のりに疲れそうだったのとで、ここはスルーです。なだらかな山道をゆるゆると登ります。登っているという感覚はあまりなく、田舎道を散歩している気分です。おばあちゃん家で過ごした夕暮れを思い出すなぁ。お帰り放送とオレンジ色の夕陽、カラスの鳴き声。胸が詰まるような、畑の枯草の匂い。懐かしさでちょっと切ない気分。

なんやコイツ
なんやオマエ
落ち着くなぁ
街並み
オブジェ


気分はさておき、切り株をうまく使って造られたタヌキの前を通り過ぎ、少し歩けば休憩所に到着です。ここにもいるな。犬か。気持ちよく開けた、雰囲気の良い広場です。ここからも池田の(多分)街並みが見渡せます。ビュースポット多いなぁ。

日の丸展望台
てっぺんからの景色


ここから先は舗装道路を歩いて、日の丸展望台を目指しました。ハイキングマップを見ると霊園の中を歩いても許されそうだったけれど、なんとなく気後れがしたので、舗装道路を歩くハイキング姿のカップルの後ろをこっそりついて行くことにしたのでした。先を行くカップルに追いつくことなく日の丸展望台に到着。休憩所から10分くらいだったでしょうか。ここも霊園の敷地内のようですが、一般に開放されています。展望台はらせん状のスロープになっています。階段じゃなくてよかった、と一安心です。登る時はまだしも、降りるときが怖いんだよなぁ。ちょっとめまいのような感覚に襲われながらも、なんとか登り切ります。ちょっと食傷気味な景色。実はそんなに都市の眺望に興味がないのと、高所が落ち着かないので、さっさと降ります。

さて、ここからは帰路です。できれば来た時とは違う道で帰りたい。そしてさらにできれば最短距離で帰りたい。グーグルマップで検索します。すると、なかなか理想に近い、素敵な道が。9号線まで35分。最短で家の方角に下山できそうです。

今日沢山歩いたご褒美は何にしようかなぁと考えながら、グーグルマップに従って、下山のための分岐点に進みます。舗装道路の右手にはゴルフ場があります。コースをフェンスの隙間から垣間見ながら歩きます。ボールを打つ、きぃんという高い音や嬌声も聞こえてきます。ゴルフ場って人里離れた山奥にあるもんだと思っていたので、自分が歩いている道路に隣接されていることが、なんだか不思議です。まぁ十分人里離れた山奥なのか。そら道路に隣接していないと辿り着けませんよね。

なん…だと!?

10分程歩いたでしょうか。そこではい、この看板です。「私有地。ハイキングはご遠慮ください」…えー…マジかよ!グーグルマップさんよぅ‼疲れが一気に左の股関節に集中し、鈍痛となって傷心の私に追い打ちをかけます。ここから先は、どうやら五月山緑地霊園さんの敷地らしいです。関係者以外立ち入り禁止。くそぅ、グーグルマップめぇ!日頃散々お世話になっているグーグルマップに唾を吐きつつ(罰あたれ)、グーグルマップでさらに道を検索します。調べたところ、日が暮れる前に家に辿り着くには元来た道を戻る以外なさそうです。痛む股関節と疲弊した心を引き摺って、とぼとぼと引き返します。ハイキングルートを降りるか、このまま舗装道路を下っていくか。どちらが近くて楽だろう。歩く目的できたけれど、もはや一刻も早く家に帰って温かい風呂にでも浸かりたい私です。確認のためにハイキングマップを広げてみると。あら?こ、このルートは…!(と、長くなって疲れたので過剰な引きで次回に続く。)