先日、グランフラント大阪北館イベントラボで開催されている「恐怖心展」を観てきました。私には不思議なことを体験する能力はないのですが、そのせいもあってかオカルトやミステリ、ホラーが好きです。「怖いもの見たさ」の衝動が子供の頃から強くあります。実際にオバケを見たりジェイソン的なものに追いかけられたりは決してしたくないのですが、体験談を聞いたり本を読んだりは好きで、そういうものがあると知るとつい覗きたくなってしまいます。
さて梅田にすら滅多に行かない私ですが、その中でもさらに縁遠いのがグランフロント。イベント会場の入り口を見つけるまでに、行ったり来たり、上がったり下がったり。無駄だと知りつつも、グーグルマップを開いて検索。しかしマップが示すのはまさに「ここ」。そうだよね、建物がどこにあるかを知りたいんじゃなくて、建物のどこにあるのかを知りたいって話だもんね。その後も親切心が中途半端な案内板に惑わされたりしつつ、なんとか入口へ続くエスカレーターを発見。会場は地下って書いてあったのに、入口は1階とかやめて欲しい。あんまりおばちゃんを翻弄しないで…緊張のeチケットも無事に提示し、やっと展示会場に入場です。
展示内容は4つに分類されています。現象(に対する恐怖心)、社会、空間、概念。多分この4つだったと思う…頼りにしていたサイトの閲覧期限が切れてしまったのでうろ覚えです。間違っていたらごめんなさい。それぞれの展示物には、恐怖心を抱くようになった個人のエピソードが添えられています。展示物は恐怖心を抱くそのものだったり、恐怖心を抱いたがゆえの結果の産物だったり(ご本人から提供されているものもあり)、抱くきっかけになったものだったりします。
若者が圧倒的に多い恐怖心展で中年女性が思ったのは、人間の想像力はすごいな、ということ。想像力が思い切りマイナスに働くと、些細な事象が日常生活に支障をきたすほどの恐怖に変化するということです。「もしかすると(苦手なものが)そこにいるかもしれない」「ひょっとすると(悪い結果)になるかもしれない」という、現実ではないマイナスの可能性を想像することが、実生活を継続的に脅かしてしまう。
展示されている恐怖心のひとつに、「蜘蛛に対する恐怖」がありました。そのひとはネットで壁掛け時計の裏から蜘蛛の長い脚がはみ出している写真を見てしまい(確かに気持ち悪かった)、自分の部屋にも蜘蛛が隠れているかもしれないと恐怖を抱くようになったそうです。その後、蜘蛛が存在する可能性がない、タワーマンションの最上階に引っ越したとのこと。引越しの荷物のなかに、蜘蛛の卵が紛れていないことを願うばかりです。
私には巨大物に対する恐怖心があります。それは10年近く前に初めて自覚されました。ある離島に旅行に行ったとき、その島の周囲には波の影響を軽減するためのテトラポットが沢山積まれていました。それは今まで見たこともない、巨大なテトラポットでした。普段から特別波が高いのか、それとも島のテトラポットとはこういう大きさなのか。それを見ていると、自分が不安定になるのがわかりました。実際に足元がぐらつくような、まっすぐ立っていられないような不安定さでした。「現実感」が薄れたのではないかと思います。島の住人からすれば、見慣れた景色で、紛れもない現実でしょう。しかし私にとってそれは身近ではなく、現実と乖離したもののように見えました。自分という存在がぐらつくような気持ち。でもそんなはずはないと否定する気持ち、そう思う自分を拒否する気持ち。それらに挟まれて私は怖くなったのだと思います。島に滞在するあいだ、私はなるべくテトラポットに近づかないようにして過ごしました。狭い島ですが、近づきさえしなければその大きさを自覚せずに済みます。
些細なきっかけから生じた恐怖を、現実にまで拡張させる力が想像力であり、なぜ恐怖を感じるかと言う理由のひとつには非現実感、自身の喪失感があるのかもしれないと思いました。
「恐怖心展」は5月17日(日)まで、グランフラント北館イベントラボにて開催されています。若者に紛れて様々な恐怖のきっかけを覗き込みたい方はぜひ。入口へ向かうエスカレーターは北館1Fの奥のカフェ横にあるので、グランフラントに馴染みが薄い方はぜひ気をつけてください。
(※以降、展示物の写真を貼っています。苦手な方は見ないでね!)











