大岩神社を歩く

ぼちぼち日記

こんにちは。めっきり寒くなりましたね。

急に気温が下がった日曜日、日頃の運動不足解消のため、京都市深草向ヶ原町にある大岩神社を散策してきました。ちょっと変わった京都観光、と検索してヒットしたのが大岩神社。メジャな観光地は観光客でごった返してますからね。ひとが少なそうなところもいい感じです。

最寄り駅はJR藤森です。駅から山に向かっててくてく歩きます。民家の軒先で、野菜を売っているところがありました。無人販売です。お金を支払うための箱が設置してあります。散策の後、四条で友人に会う約束があるので、太い大根と青々としたネギは諦めます。

参道入口
池なのか沼なのか
お塚と呼ぶらしい


寒さに震えながら20分程歩くと鳥居が見えてきます。参道入口はこんな感じです。ちょうど大学生らしきグループが鳥居を抜けて出てくるところでした。ひとが来ていることにちょっと驚きながらも、一礼して鳥居をくぐります。

昨夜の雨のせいで、山道はぬかるんでいます。そして大量の、黄色や茶色の落ち葉。鳥居からすぐのところに、池がありました。池なのか沼なのかわかりませんが、季節を問わず、決して落ちたくないですね。見たこともない生物がひっそり沈んでいそうです。

写真のように、大神とか明神とか刻まれた石碑があちこちにあります(塚と呼ぶらしいですね。後から調べ。)やたら多い。みんな神様なのでしょうか。亡くなられて神様になった方々かもしれません。ご近所の伏見稲荷には遠く及びませんが、鳥居もたくさんあります。石造りの鳥居は健在ですが、木造の鳥居は朽ちて倒れ、土台だけが残っているものもあります。

キケン


まむし注意の手書きの看板も多く残されていて、恐怖心を煽ってきます。かなりの出現率なのでしょうか。夏は絶対来たくありません。

石の鳥居。日本画家の堂本印象寄進とのこと
毘沙門天らしい(後調べ)
地蔵菩薩らしい


これがよくネットで目にする、石造りの鳥居です。植物のような模様と、左右に人が刻まれています。神様と仏様でしょうか(さっき調べたところ、毘沙門天と地蔵菩薩とのこと。)鳥居のフォルムも珍しいですね。ギリシャの宮殿みたいな。詳しくないですが。

姿勢良し
同じくよし

狛犬が入口を守護しているのですが、これまた珍しく、二頭とも口を開けています。威嚇しているのでしょうか。やたらに体が反り返っていますね。うちの猫も獲物を狙うときに、こんな姿勢をとることがあります。タメの姿勢ですね。

見ての通り、誰かが管理している様子は見られません。天気は良かったのですが、薄暗く、じめじめと湿った場所です。人の手が離れた建造物って、昼間見てもやたら不気味です。

事前に情報収集をして知っていたのはここまで。これが全容かと思っていたのですが、まだ山の上へと道が続き、そちらへ誘うように鳥居が建っています。

先があるぞ
お稲荷様の奥にお稲荷様
その真ん中の、何ですか

鳥居をくぐってすぐ、お稲荷様が鎮座しています。軽々しく「さん」付けすると罰でもあたりそうな雰囲気を醸しています。真ん中にピラミッドみたいな四角錘があります。何かのパワーを集めているのでしょうか。それとも宇宙と交信しているのでしょうか(冗談です。)擬宝珠?が並んで、二匹のキツネの中央に何かがあります。なんでしょうか。じっくり見たけれど、風化していてよくわかりませんでした。何かの果実のような、蛇が卵から出てこようとしているような。わからないけれど、多分重要なものなのでしょう。

もはやおにぎりのことしか頭にない

点在している石碑を眺めながら、緩やかな山道を登ります。足元にはやはり大量の落ち葉。下りのことを考えるとぞっとします。落ち葉、滑りやすいんだよなぁ。コケるかも!という、あの瞬間のヒヤッとする感じ、ほんま嫌い。実際にコケるかコケないかは関係ありません。なんならコケてもいいから、あのヒヤっとする感じだけなんとかならないものかと、冬場は特に思います。ちょっと憂鬱になりながら登っていくと、道しるべがありました。左手にも建造物が見えますが、とりあえず展望台へ向かいます。なぜならおにぎりを握ってきたからです。山に行くときは必ずおにぎり。塩分が欲しくなるので、普段はあまり食べない梅干しおにぎり。わくわくしながら登ります。

伏見桃山城、見えますか

道しるべから5分と経たず、展望台に到着です。ベンチに腰掛け、足をぶらぶらさせながら、しょっぱいおにぎりを食べてエネルギーチャージ。エネルギー、そんなに消耗してないけど。エネルギーと水分を摂取し、元来た道を下ります。山頂の滞在時間はごくわずか、5分程度です。これってひとり登山あるあるらしい。やることないからなぁ。

立派なたたずまい
餌じゃないんかい
もぐもぐ

道しるべが示すもうひとつの道を進みます。遠目に立派な建物が見えます。ここに大岩神社の本殿があるのでしょうか。奥行の狭い石の階段を上ります。登りきると、屋根と柱の強度が心配な、拝殿があります。右手に広がっていて、もとは立派な建物だったことが伺えます。逆に迷惑かもしれないな、と思いつつもお賽銭を挙げて手を合わせます。すると猫の鳴き声が。鳴き声の方に目をやると、黒猫が走って行きました。ついていくと、もう一匹、サビ猫がご飯を食べています。黒猫は駆け寄ったものの、なにをするでもなくまた拝殿のほうへ歩いていきました。私が近寄っても逃げることなく、むしゃむしゃやっているボウルの中を覗いてみると、カリカリが入っていました。残り少ないカリカリ。黒い猫は、私がカリカリを補充しに来たと勘違いしたのかもしれません。猫がごはんを食べている建物は、今は物置になっているようです。元は社務所のような役割を果たしていたのかもしれません。ほとんど東屋のような建物ですが、猫が入り込める隙間があって、雨だけでなく風も防ぐことができそうです。静かで敵もおらず、飢えることがないのなら、なかなか快適な住まいなのかもしれません。寒そうではあるけど、二匹いるから大丈夫なのかな。

朱色が鮮やか
誰かが掃いているんだろうな
牛頭天皇!!

ここにも模様が掘られた石造りの鳥居がありました。大岩大神、小岩大神と彫られています。左右のふたりが神様なのでしょうか。顔が幼くみえるので、天使のような存在なのかもしれません。ここの手すりは、最近塗られたみたいに綺麗な朱色でした。猫のごはんといい、参道の落ち葉が掃き清められていることといい、こちらの方は誰かが管理されているようです。

鳥居をくぐり、灯篭に挟まれた小道を歩きます。すると牛頭天皇と刻まれた石碑が!!感動して写真を撮らせていただきました。牛頭天皇、めっちゃ強いんだよなぁ(ゲームの話。)

舗装道路。大型ごみが廃棄されている…

最後の鳥居を抜けると、舗装道路に出ました。地図を見ると、駅へと続く道に繋がっていそうです。落ち葉の坂道を下らずに済んだことに感謝しながら、駅へと向かいました。

体力、筋力的に厳しい箇所も、迷うこともない道だったので、ほどよい散策となりました。JR藤森から往復2時間程度の行程です。ちょっと不思議な雰囲気を味わいたいときにはいいかも知れません。

先程調べてみたところ、大岩神社は疫病封じにご利益があるそうです。大岩明神、小岩明神が互いの病を治し合ったことから難病の神様とされ、昔は不治の病とされた結核患者さんが多く祈願に来られたとか。

また、鳥居を寄進した堂本印象は、京都出身の明治から昭和にかけて活躍した日本画家だそうです。ご本人が設立され、内装外装ともにデザインした美術館が京都市北区にあります。金閣寺や北野天満宮の近くですね。

ちょっと遠いけど、次は美術館とその周りを散策してみようかなぁ。